日本の人口減少と外国人増加の現状

出生数70万人割れ、日本の少子高齢化が加速

昨年末、2024年に生まれた日本人の子どもは推計68万7千人とされ、70万人を下回る見通しとなったことが報じられました。この報道を受けて、驚きと危機感を抱いた方も多いのではないでしょうか。

一方で、同年9月時点の65歳以上の人口は3625万人、高齢化率は29.3%と、いずれも過去最高を更新しました。65歳以上の人口は世界200の国・地域の中で日本が最多となっており、他国以上に少子高齢化が深刻化していることが浮き彫りとなっています。

日本人住民の出生者数、死亡者数の推移
出典:住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和6年1月1日現在)|総務省

そして、日本は深刻な人口減少にも直面しています。住民基本台帳人口に基づく総務省のデータによると、日本在住の日本人の出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は、16年連続で拡大しており、2024年度は約85万人と、調査開始以降過去最大を記録しました。

この傾向は今後も続くとみられ、出生数の減少と死亡数の増加により、日本人の総人口はさらに縮小していく見通しです。

外国人300万人突破—日本社会の変化

高齢化の推移と将来推計
資料:棒グラフと実線の高齢化率については、2020年までは総務省「国勢調査」(2015年及び2020年は不詳補完値による。)、2023年は総務省「人口推計」(令和5年10月1日現在(確定値))、2025年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果。
(注1)2015年及び2020年の年齢階級別人口は不詳補完値によるため、年齢不詳は存在しない。2023年の年齢階級別人口は、総務省統計局「令和2年国勢調査」(不詳補完値)の人口に基づいて算出されていることから、年齢不詳は存在しない。2025年以降の年齢階級別人口は、総務省統計局「令和2年国勢調査参考表:不詳補完結果」による年齢不詳をあん分した人口に基づいて算出されていることから、年齢不詳は存在しない。なお、1950年~2010年の高齢化率の算出には分母から年齢不詳を除いている。ただし、1950年及び1955年において割合を算出する際には、(注2)における沖縄県の一部の人口を不詳には含めないものとする。
(注2)沖縄県の昭和25年70歳以上の外国人136人(男55人、女81人)及び昭和30年70歳以上23,328人(男8,090人、女15,238人)は65歳以上の人口から除き、不詳に含めている。
(注3)将来人口推計とは、基準時点までに得られた人口学的データに基づき、それまでの傾向、趨勢を将来に向けて投影するものである。基準時点以降の構造的な変化等により、推計以降に得られる実績や新たな将来推計との間には乖離が生じうるものであり、将来推計人口はこのような実績等を踏まえて定期的に見直すこととしている。
(注4)平成12年までは、85歳以上はまとめて「85歳以上」の区分としている。
(注5)四捨五入のため合計は必ずしも一致しない。
出典:令和6年版高齢社会白書1高齢化の現状と将来像|内閣府

こうした日本人の少子高齢化が加速する中、労働の中心を担う生産年齢人口(15~64歳)の減少は避けられません。将来的な日本の生産年齢人口は、2032年に7,000万人を下回り、2070年には4,535万人まで減少すると推計されています。

このままでは、国内の日本人労働者だけでは人手不足を補えず、教育機会の減少や適切な人事配置の困難化といった課題が発生します。その結果、品質の低下や顧客満足度の低下といった悪循環に陥るリスクが高まると考えられます。

外国人雇用事業者数・外国人労働者数(総数)
注1:事業所数、外国人労働者数ともに、各年10月末時点。
注2:「うち派遣・請負事業所」欄は、労働者派遣・請負事業を行っている事業所数及び当該事業所に就労している外国人労働者数を示す。
なお、労働者派遣事業等を行っている事業所に就労している外国人労働者のすべてが派遣労働者等であるとは限らない。
出典:別添3「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和6年10月末時点)|厚生労働省

一方で、日本に在留する外国人は増加傾向にあります。2024年1月時点の外国人住民は300万人を超え、2024年10月末時点には外国人労働者が約230万人と公表されており、ともに過去最多を更新しました。

また、国内で外国人を雇用する事業所数は、2024年におよそ34万所に達し、そのうち6割以上が従業員30人未満の小規模事業所となっています。特に中小企業を中心に労働力不足が深刻化するなか、外国人労働者の受け入れを選択する事業所は今後さらに増加すると予想されます。

製造業を取り巻く人口変化:担い手不足と外国人労働者の台頭

製造業の人手不足は深刻化:高齢化する労働市場

製造業は長年、日本経済の基盤を支えてきた産業です。しかし、近年は生産年齢人口の減少に伴い、人材確保が深刻な問題となっています。

高齢就業者(65歳以上)数の推移
備考:2011年は、東日本大震災の影響により、全国集計結果が存在しない。分類不能の産業は非製造業に含む。
資料:総務省「労働力調査」(2024年3月)
出典:2024年版ものづくり白書(全体版)|経済産業省

経済産業省の統計によると、製造業における高齢就業者数は2018年まで増加傾向にあったものの、2023年は88万人とわずかに減少しています。

若年就業者(34歳以下)数の推移
備考:2011年は、東日本大震災の影響により、全国集計結果が存在しない。分類不能の産業は非製造業に含む。
資料:総務省「労働力調査」(2024年3月)
出典:2024年版ものづくり白書(全体版)|経済産業省

一方で、若年就業者数は2012年頃まで減少傾向が続き、それ以降ほぼ横ばいに推移し、2023年度の就業者数は259万人となっています。

このように、現在は外国人労働者の進出もあり、高齢者・若年者ともに増減幅は落ち着いています。しかし初年度の2002年のデータと比べれば、製造業の就業者の平均年齢は大きく上昇していることが分かります。

外国人労働者の現状と未来

製造業の外国人労働者数の推移
出典:2024年版ものづくり白書(全体版)|経済産業省

こうした状況を受け、製造業における外国人労働者の受け入れも年々拡大しています。製造業は全産業の中で最も多くの外国人材を活用しており、2023年の外国人の製造業従事者は約55万人と、全外国人労働者の26.0%を占めています。

しかし、外国人雇用には在留資格ごとに在留期間の制限がある場合が多く、将来的に一定の人員を維持または増員するためには、継続的な採用活動が必要となります。

2024年10月末時点で製造業に従事する外国人労働者の在留資格の内訳は以下の通りです。

●技能実習:21.7万人
●身分に基づく在留資格:16.3万人
●専門的・技術的分野の在留資格:16.9万人(うち特定技能:8.1万人)
●資格外活動:3.1万人
●特定活動:1.5万人 等

このように、永住者や日本人の配偶者等に加え、技能実習や特定技能など就労制限のある在留資格を持つ外国人も多く活躍しています。ただし、技能実習や特定技能などの在留資格を持つ労働者は、どれだけ活躍している人材も、数年で帰国せざるを得ないという課題も抱えています。

外国人材の受入れニーズ
出典:「人手不足の状況および多様な人材の活躍等に関する調査」調査結果|東京商工会議所

しかし、東京商工会議所ならびに日本商工会議所が全国の事業所を対象に行った調査によると、合計51.6%の企業が外国人材の受け入れに前向きな姿勢を示しています。特に、「既に受け入れている」と答えた企業は、宿泊・飲食業に次いで製造業が多く(36.7%)、今後も外国人労働者の増加が見込まれる産業のひとつと言えるでしょう。

外国人雇用増加が企業と社会に与える影響と課題

外国人の雇用は労働力確保や生産性向上の面で期待される一方、企業側の業務負担の増大という課題も浮上しています。

厚生労働省の調査によると、製造業事業者が挙げた「外国人労働者の雇用に関する課題」の上位5項目は以下の通りです。

●日本語能力等のためにコミュニケーションが取りにくい:51.7%
●在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑:28.1%
●在留資格によっては在留期間の上限がある:25.8%
●生活環境の整備にコストがかかる:23.6%
●受け入れた職場での負担が大きい:23.3%

このように、言語や文化の違いに起因する課題をはじめとした、企業側の負担を懸念する声が多く聞かれます。実際に、外国人雇用には在留資格の申請手続きや労務管理の煩雑さに加え、日本語教育や生活支援といった幅広い対応が求められます。また、文化や労働習慣の違いによる誤解やトラブルも発生しやすく、職場環境の維持が課題となっています。

さらに近年では、職場への適応が難しいことや、キャリアの選択肢の広がりを理由に、短期間で離職するケースも目立つようになっています。企業側も外国人労働者との適切なコミュニケーションの重要性を認識しているものの、実際の運用に困難を感じているケースが少なくないのです。

平山GSの取り組み—外国人労働者と共に歩むために

平山GSの特定技能/外国人技能実習事業—即戦力の受け入れをサポート

平山GSの特定技能/外国人技能実習事業

以上のような製造業の人手不足と外国人雇用の課題に対して、株式会社平山グローバルサポーターでは、外国人人材の就労支援や雇用に関するサポートを行う「特定技能・外国人技能実習事業」を提供しています。

●有料職業紹介、在留資格申請関係サポート
●全部・一部支援サポート

「有料職業紹介、在留資格申請関係サポート」は、在留資格「特定技能」に該当する外国人人材のマッチングと行政対応一式を弊社が代行するサービスです。このサービスでは、特定技能に該当する外国人人材のマッチングから、在留資格申請の行政対応までを一括代行しま す。

行政手続きへの通訳同行の様子

特定技能とは、人材確保が困難な産業分野(製造業を含む)において、一定の専門性・技能を有する外国人材に与えられる在留資格です。即戦力となる人材の確保を迅速化し、在留資格申請等の煩雑な手続きを代行することで、スムーズな採用活動を実現しています。

特に、特定技能1号の受け入れ機関には「義務的支援10項目」と呼ばれる生活支援や職場定着支援などの実施が求められています。弊社の「全部支援サポート」では、この義務的支援をすべてカバーし、企業の負担を大幅に軽減。就業中の外国人労働者への対応をアウトソースしていただくことで、業務負担を軽減するだけでなく、外国人労働者の定着を促し離職リスクの低減を図ります。

事業の目指すものと現場での活用実績

特定技能・外国人技能実習事業が目指しているのは、外国人雇用におけるあらゆる負担とリスクの軽減です。

弊社では、外国人材のマッチングから就業後のフォローまでを一貫して支援する中で、コンプライアンスの遵守を徹底しています。これにより、外国人の不法就労を防止し、適正な雇用を促進しています。

仮に不法就労者を雇用した場合、事業者には3年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金又はその併科が科せられる可能性があります。それだけでなく、メディア報道などによる企業イメージの毀損も避けられません。こうしたリスクを未然に防ぎ、企業が安心して外国人材を活用できる環境を整えることが、弊社の使命の一つです。

さらに、ご要望に合わせて該当エリアや職場に管理者を配置し、終業後の生活や職場での困りごとを支援する体制を整えています。定期的な日本語教育や、メンタルヘルスケアのための産業カウンセラーの派遣などのオプションもご用意しています。

技能実習生の3年期間満了定着率99.5%

こうした支援の結果、弊社が担当した技能実習生の3年期間満了定着率は99.5%と、非常に高い割合の就業継続を実現しています。外国人労働者が安心して働ける環境を整えることで、採用・教育にかかるコストを削減するとともに、離職リスクの低減にもつながっています。

まとめ—外国人労働者とともに製造業の未来を創る

少子高齢化が進む中、外国人労働者の力は日本の産業全体でますます重要になっています。人材確保は製造業においても深刻な課題となっており、既に外国人材の力に頼らざるを得ない状況となっています。

外国人労働者と日本人男性がともに働く様子

製造業において、外国人を含む多様な人材の活用が不可欠となった今、企業に求められているのは、多様な人材が安心して働ける環境を整え、共生できる仕組みを築くことです。

私たち株式会社平山グローバルサポーターが目指すのは、外国人雇用に関する様々な課題を解消し、企業と外国人労働者双方にとって最適な環境を提供することです。外国人雇用に関するお悩みがあれば、いつでもご相談ください。

人材教育事業

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